給与をもらっていたときは税金などが天引されていたため、手取り金額の範囲で生活し、手取額と生活費のバランスを考えていれば済んでいました。しかし、個人で事業を始めた場合にはご自身で数字を管理していくことが必要となってきます。
そこで事業を始めた場合には何をどのように考えていけばいいのか、3つの数字で見ていきたいと思います。
目次
1つ目に確認する数字
はじめに確認する数字は、「事業売上△事業に関わる費用・支払額=事業の利益額」です。この金額には、経営者ご自身の給与は含まれておりません。
会社を経営している場合は、ご自身の給与は費用となり法人の利益は給与を差し引かれた後の金額となりますが、個人で事業を始めた場合にはご自身の給与という概念がありませんので、事業の利益額はご自身の給与を支払う前の金額を意味します。
まず1つ目に確認する数字は「事業の利益額」です。
2つ目に確認する数字
次に確認する数字は、税金と国民健康保険、国民年金、住民税などの合計額です。この金額は給与をもらっていた時には既に差し引かれていましたので、事業を始める前は手取り金額だけで考えていればよかったのですが、ご自身で経営する場合にはこの金額を事業の利益額から差し引いた後の金額で数字を捉えることが必要となってきます。算式にすると以下のとおりです。
「事業の利益額△所得税△国民健康保険△国民年金△住民税=租税公課を差し引いた後の金額」です。
租税公課の金額は1年目は事前に金額が分からないので、給与で今まで差し引かれていた金額を参考におおまかな金額を捉えればよろしいかと思います。
ここで大切なことは、事業の利益額は今までにもらっていた給与の手取り額とは異なるということです。上記の租税公課を差し引いた後の利益額が、個人で経営する場合には給与をもらっていたときの手取り額に相当するということです。
以上2つ目に確認するのが「事業の利益額△租税公課=租税公課を差し引いた後の金額」です。
3つ目に確認する数字
最後に確認する数字が生活費となります。この生活費の中には住宅ローンの返済額や個人で契約している保険料など、事業に係る費用以外でご自身が生活していくうえで支出する金額を意味します。算式にすると以下のとおりです。
「租税公課を差し引いた後の金額△生活していくために支出する金額」です。
3つ目に確認する数字が上記の金額となります。この金額がプラスであれば事業を継続していく可能性が高まりますが、マイナスの場合は事業を継続することが困難となるケースが多くなります。
まとめ
以上の3つの数字を順におって確認すると経営が安定しやすくなると思います。
特に2つ目の数字は、今までは給与から天引きされていたので意識する機会があまりなかったのではないでしょうか。そのためご自身で把握し、意識していくことが必要になってきます。この支払いをあらかじめ見積り、それを考えたうえで経営を行っていくと、いざ支払う際に慌てずに済みます。一度支払いが遅れてしまうと、正常に戻すのが難しくなりますので、事業の利益額からこの金額を差し引いたうえで生活費を考えていくことが大切となります。
3つ目の数字の範囲内で生活費が収まりマイナスにならなければ、事業を継続できる可能性が高まります。
個人で事業を始める際には、この3つの数字を参考にされてみてはいかがでしょうか。