土地を相続した時に、減額制度を活用することにより、大幅に相続税が減少できる場合があります。そこで今回は、その減額できる制度(小規模宅地等の特例)の概要について見ていきたいと思います。
目次
1.前提条件
2.土地・建物の利用状況の確認
お亡くなりになられた方(被相続人)が亡くなられる時に、主に下記のように土地を利用していた場合に、この制度を活用することができます。
1)被相続人が自宅として利用していた場合。
2)被相続人がお店などの個人事業としてその土地を利用していた場合。
3)被相続人、ご家族が経営している会社に土地などを貸して賃料を得るために利用していた場合。
※被相続人、ご家族が経営している会社:被相続人、ご家族が議決権割合の50%超を保有している会社。
3.この制度が適用できる土地の面積は?
この制度は下記の土地の面積まで適用することができます。
1)自宅として使っていた土地・・・330㎡まで
2)お亡くなられた方の事業、会社として使っていた土地・・・400㎡まで
※ただし、事業内容が不動産を貸し付けている事業の場合は200㎡までとなります。
※この土地の面積330㎡と400㎡は併用して活用することが可能です。
4.土地をもらう人の要件は?
お亡くなりになられた方(被相続人)が利用していた以下の土地を、その被相続人のご家族(配偶者、三親等内姻族、六親等内血族)が取得した場合に限り、この特例を活用することができます。
1)被相続人の自宅として利用していた土地・・・同居していたご家族。
2)被相続人の個人事業として利用していた土地・・個人事業を引き継いだご家族。
3)被相続人、ご家族が経営している会社が利用していた土地・・・会社を引き継いだご家族。
※土地を相続したご家族は、相続税の申告期限までその土地を所有し、その利用を継続する必要があります。被相続人の配偶者はこれらを所有・継続していなくてもこの特例を受けることができます。
※被相続人、ご家族が経営している会社:被相続人、ご家族が議決権割合の50%超を保有している会社
5.減額できる土地の金額は?
減額できる金額は以下のとおりです。
1)自宅として利用していた土地の評価額×80%
2)個人事業(貸付事業以外)として利用していた土地の評価額×80%
3)個人事業(不動産の貸付事業)として利用していた土地の評価額×50%
4)被相続人、ご家族が経営している会社が利用していた土地の評価額×80%
※3)不動産の貸付事業は、平成30年4月以降に購入した不動産は、初めて不動産を購入した場合など、この減額措置が活用できないケースがあります。
6.まとめ
以上のとおり、お亡くなりになられた方のご自宅の土地、事業とした使っていた土地、経営していた会社に貸していた土地などは、この特例計算を活用すると土地の評価額を80%(又は50%)減額することができます。
今回は概要のため、一般的なケースを見てきましたが、この他にも特殊なケースがありますので、実際に活用する場合には適用の有無について専門家にご相談いただくことをお勧め致します。
この減額制度の活用の有無により、相続税が大きく変わってきますので、是非一度この制度が使えるかどうかのご確認を行っていただければと思います。